ほとんど土のない石垣の隙間でこんなに大きくなり
主人の手から一滴の水を与えられることもなく
ましてや一粒の肥料も与えられることもなく
夏には灼熱の太陽とブロックの熱に負けることなく
冬にはたとえ氷点下になり
その身は凍てついても絶えることなく
40年以上この味気ない場所を住処として生き続け
子株を増やし続けてきました
アロエ様 あなたは、えらい!
自ら生き続けるだけではなく
あなたは何度、火傷の薬として人の役に立ったことでしょう
きのう私が手を火傷したときも
傷口を包み込み、痛みを消し、水疱も作らせず
たった1日で大きめの傷テープ一枚だけですむような
そんな小難に抑えてくれました
夏も冬も自然の厳しさに耐え
与えられるものが何一つなくても
文句一つ言わず日々生き続け
周囲に火傷をした人があれば
手当薬として人の役に立ち
お礼の肥料を求めようともしない
それどころか毎年花を咲かせ
人の目や心を癒やしてくれます
*
アロエの友人たちは
あるときは化粧品などとなり
あるときは胃腸薬となり
あるときはヨーグルトの栄養となり
ただただ他のために生き続ける
アロエ様 あなたは、えらい!
私はそんなアロエに・・・
あっ、いやっ・・・
そんな人に、私は、なりたい。。。
令和元年師走
森田良恒