心に響くお葬式

68歳の嫁いだ娘さんが、実母95歳の母親を送られました。

住職の私と副住職の二人僧葬式でした。

当初は「姉も1年前に亡くなって家も絶えるので、簡単に送りたいと思ってる」

と話していました。

亡くなった母親は、私も元気な頃には懇意にさせていただいた方で、

早くにご主人を亡くされたものの、貧しくとも明るく、

笑顔よしで生き生きと周囲に笑い声を響かせながら生きてこられた方です。

私はその娘さんに

「早くに父親を亡くし、女手一つで一生懸命明るく元気なあなたたちを育てて

くれたんだから、あまり簡単になどと考えない方がいいよ」と話すと、

「そうやね、それじゃあお坊さん二人でお願いします」と、

二人僧葬式を依頼されました。

葬式を終えた夜、

娘さんから次のようなお電話をいただきました。

「お坊さん二人の葬式があんなええとは思わなかった。

 甥に当たるお姉ちゃんの息子も参列者もみんなそう言ってくれた。

 こんな感動するんやったら、お姉ちゃんの時も二人来てもらったらよかった。

 それにあまり関心のない主人が、坊さん二人来てもらってよかったなあ、

 葬式がこんなに心に響いたことなかった。お義母さんも喜んでる、

 って言ってくれた。

 それに火葬場で職員の方が位牌をとるやいなや、なんといいお戒名だこと、

 と褒めてくれた。」と、

 泣きながらお礼を言ってくれました。

 まさに生きてる人のためのお葬式になったのでしょう。

 坊主冥利に尽きるお礼の言葉でした。

 合掌


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