9月の護摩焚き法要

皆さまの安寧と疫病退散を祈願し、
懇ろに護摩焚き法要相勤めさせていただきました。

盥漱水には終わりに近づいた彼岸花の花手水が設えられました。

コロナ禍でお参りは少なかったのですが、
皆さまは熱心にお参りを続けて下さっています。

みんなで大きな声で般若心経、不動真言をお唱えし、
ご自分のご家内安全はもちろんのこと、
地区の檀家さまを含めお参りできない方のために

心込めてご祈願いただきました。

南無大日大聖不動明王
南無大師遍照金剛

合掌

 

明日は彼岸の中日

昨夜、満月と中秋の名月が同じ日に重なるのは何年かぶりだそうです。
 
私は満月を見ると手をあわせてしまいます。
そんな方は多いのではないでしょうか。
 
私ごとですがー
6年前、化膿性脊椎炎で腰の骨が溶け約6ヶ月寝たきりで入院していたとき、病室の窓に満月が見えたときには、思わず泣きながら手をあわせたことを忘れることができません。
(シリーズ第五弾「田舎坊主の闘病日記」2019年発行に詳細)
 
なぜお月さまに手をあわせるのでしょうか?
 
私たちの身体にあるお月さまー
月(にくづき)がたくさんあります。
脳・肝・胃・胆・脾・肌・胸・脇・膵・股・肩・・・・
まるでお月さまでできているようです。
 
私たちの生活にあるお月さまー
暦1月~12月は付かず離れずとても大切なもので、
自分のおかれている位置や時間を与えてくれています。
これを無視して生活している人はいないでしょう
 
私たちの生きる月々の糧はー
多くの人が月々の月給で野菜、魚、お肉などを買い自分・家族の身体を養います。
たくさんの命あるものを戴き食し、すべてが血となり肉となって命をつないでいます。
月々の糧が自分の「にくづき」に循環していきます。
 
   *
 
月は天空にありながら私たちと深く繋がり、関わりを持っているのだと思うのです。
だからこそ手をあわせるのでしょう。
健康であること、元気に働けること、話せること、聞けること。
そんな自分をこの世に生んでくれたことにつながるたくさんのご先祖にも・・・・。
たくさんの感謝を込めてお月さまに手をあわせるのではないでしょうか。
 
   *
 
お月さまに手を合わせるもう一つ大切なことー
いま自分が健康で元気に働くことができることに感謝するとともに、病気で苦しむ人や困難な環境に置かれ苦しんでいる人の安寧を併せて祈ることも忘れてはならないと思うのです。
 
 
明日は彼岸の中日ー
昼と夜の時間が同じでどちらにも偏らない秋分の日はお彼岸の中日です。
 
お月さまに手をあわせるときー
辛い状況におかれている人のことを思い祈る気持ちは、
まさに偏りのない考え方、中道の思いの実践だと思うのですが・・・・。
 
不動坊
良恒
合掌
 
<おまけ>
最期の写真はー
豆腐とコンニャクを焼いてずんだ餡をのせた精進スイーツです😂
味噌田楽ではありましぇん😂😂😂
 
 
 
田楽風 精進スイーツです

令和3年秋彼岸


--お彼岸--
 
寒い冬には。。。

「早く暖かい春が来ないかなあ」と思い、水仙、梅の花、桃の花が咲き、春本番に桜の花を楽しんだのもつかの間、あっという間に夏のような気温が続き、本格的な猛暑がやってきて、暖かさを待ち望んだことを忘れてしまいます。

暑くなってくると。。。

「早く涼しい秋にならないかなあ」と思い、彼岸花が咲きさわやかな季節もあっという間に朝夕めっきり冷え込む季節となると、「近頃は秋が短いなあ」と寒さを恨めしく思うものです。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように四季があることを素晴らしいといいながらも、今の季節より次の季節を待ち望むのが私たち凡人なのかもしれません。

「いまの季節」を愉しむためには。。。
夏には夏を、冬には冬を、それぞれ知恵を出し工夫して楽しむことしかありません。
そうすれば、むしろ暑いことも寒いことも楽しみになるかもしれません。
それを実感し、体感している人も多いはずです。
そうしないと、季節がめぐる限りいつまでたっても不平や不満の多い苦の季節を過ごさなければなりません。

言い換えれば。。。

いまの季節は「此岸」であり、次の季節は「彼岸」ということになります。

私たちの人生。。。

「つらくて苦しくて、いやだいやだ」と思っている今の生活(此岸)も、
智恵をしぼり正しい考え方や行動、行為によって「いやではない平安な生活」(彼岸)に変えることができるかもしれないというのです。

仏教では。。。

「彼岸」は安らかで苦のない世界のこと、「此岸」は悩み多い苦の現世のことですが、
その「彼岸」は決して向こう側にあるのではなく、
「此岸」のなかにつくり出すものだと教えてくれているのです。

その方法は「彼岸の中日」に。。。

彼岸の中日は昼と夜の時間が同じでどちらにも偏っていません。
私たちの考え方や行動、行為に偏りがないか象徴的に表しているのです。

お彼岸は。。。

仏まつりもさることながら、私たちの考え方や言葉や行為に偏りがないか再確認する日でもあるのですね。

・自分勝手なこだわりがないか?
・「他」を思っているか?
・平等なのか?
・自分本意に考え過ぎていないか?


令和3年秋彼岸
自戒を込めてー
合掌


鳳来寺山薬師堂参拝

1425段の石段を登ったところにある鳳来寺に参拝ー

新城市の鳳来寺山にある鳳来寺は1300年前、
利修仙人によって開かれたお寺です。

鳳来寺山ガイドマップにはー

文武天皇が病気になったとき鳳凰に乗って都に行き、
七日間のお加持ご祈祷により病気を平癒したといわれています。
このときのお礼として「鳳来寺」の名を賜り、伽藍が建立されました。

ちなみに石段の参道脇には多くの寺院跡の名跡が標されています。
本堂までは約50分を要する参拝でした。

本堂前に於いてー
「難病患者に寄り添い下さい」との祈願を込めて読経させていただきました。

有り難き巡拝でした。

南無薬師瑠璃光如来
合掌

 

1425段の石段登り口
仁王門への石段
仁王門をくぐって石段は続きます
開山利修仙人の石像
日本で2番の樹高の「笠杉」
まだ半分も上ってません
鳳来寺本堂
本堂正面
本堂内
薬師如来お前立ち
本堂前からの景色
階段に咲く小さな花
道迪の花
鳳来寺ご朱印

もうすぐお彼岸ですね

かつて橋もなかったころのインドー

大河ガンジス川のガート(沐浴場)で沐浴する人たちが対岸を眺めながら、
『こちらの岸(此の岸)には苦しみや悩みなど、つらいことばかりあるけれど、きっとあちらの岸(彼の岸)には幸せがあるに違いない』と、、、
そう思ったのでしょう。

私はこれが「彼岸」の考え方だと思っています。

でも本当は、彼の岸にも悲しみや苦しみは存在するのです。

仏教の「彼岸」とは、
苦しみ多き「此の岸」を私たちの智恵や行いによって、幸せと思い、平安と思える世界を作り上げることの大切さを説いています。


もうすぐお彼岸です。


私たちはー

暑い暑いと思って、早く涼しくならないかと思っていても秋の彼岸が過ぎればやがて寒さに文句を言います。

寒い寒いと思って、早く暖かくならないかと思っていても春の彼岸が過ぎればやがて暑さに文句を言います。

あちら(彼の岸)に幸せがころがっているわけではありません。

私たちの行いと考え方と豊かな知恵でもってー
こちら(此の岸)を住みやすく幸せに思える世界(彼岸)をつくることが大切ですよ・・・、
と諭しているのが、お彼岸だと思うのです。


ちなみにー

山中伸弥先生を先頭に世界に先駆けたiPS治療の臨床治療が始まって7年が経ちました。

多くの難病患者、とりわけ網膜治療に次ぎパーキンソン病、そして脊髄損傷、心筋治療へと当事者が夢見た最新治療の研究も成果も積み重ねられています。

まさに日々苦しむ難病患者に寄り添い、苦しみ多き「此の岸」を「幸いなる彼岸」に変えようと、多くの研究者や先生方が努力してくださっています。

本当にありがたいことです。


私たちはー

彼岸を契機として、置かれた場所で、自分にできる方便で「幸いなる彼岸」をつくる意思を心に留め置きたいものです。

令和3年秋彼岸
合掌

(写真はガンジスで沐浴する老母:1989年撮す)
 
 

四国巡礼 香川県71番~79番巡礼

四国八十八ヶ所香川県71番~79番を巡礼させていただきました。

71番 弥谷寺
72番 曼荼羅寺
73番 出釈迦寺
74番 甲山寺
75番 善通寺
76番 金倉寺
77番 道隆寺
78番 郷照寺
79番 天皇寺

71番 弥谷寺は日本三大霊場霊山の一つと言われた山岳寺院です。
頂上の本堂まで540段の石段を登ります。
自分の足でそれほどの疲れも感じることなく上ることができたことに心から有難く感じることができました。
まさに同行二人のなせるお力の証しなのでしょうか。


75番 善通寺では金堂薬師如来ご宝前にて特別法要が行われていて、
「難病患者に寄り添い下さい」との祈願を込め、
ともに祈念させていただきました。

有難き、有難き巡礼でした。


南無大師遍照金剛
南無薬師瑠璃光如来
合掌

 

長岳寺参拝(天理市)

弘法大師創建の長岳寺ー

かつては48の宿坊・塔頭寺院が存在した壮大な寺院でした。
現在は関西花の寺霊場の一つで四季の花が咲き、
唯一残っている塔頭寺院の地蔵院の庭園はとりわけ有名です。

また鐘楼門や堂内の仏像の多くが国指定の重要文化財に指定されていて、
有りがたくも厳かな参拝をさせていただくことができました。

毎年8月15日にはユネスコ協会主催で「平和の鐘を鳴らそう」という平和祈願行事が開催されています。


ちなみに今回のお参りでは自分のためにー
境内のぼけよけ地蔵にしっかりお参りさせていただきました。

合掌